都会で「サクラソウ」として出回っているプリムラ・マラコイデスを見慣れた人にとっては、
「何だこれは」と思うかもしれないが、この花が古くから日本人が親しんできた日本サクラソウだ。
大声や大音響に慣れた現代、ピアニッシモの密かな響きの美しさが、本当に心に残る響きであることを忘れてしまったかのようだ。
江戸時代では荒川の原野に一面に咲いていたという。今では、ほとんどが消えてしまった。
根で広がっているサクラソウの小さな芽が沢山出てきた。いつの日か、春の庭が日本サクラソウで溢れる日が来ることを夢見ている。