日本列島に北の方から寒波が訪れてきて、今日は重い空模様だ。そんな中、今日は絶飲、絶食で、人間ドックの検査がある。勤めを止めると健康診断を受ける機会が無くなってしまって、自分の今の健康状況がよくわからない。
放っておいてもあまり変わらないかもしれないが、何となく不安になることもある。
実は、このところ、飲んだあくる日など、左の肋骨下の方が痛むことがある。もしや胃や十二指腸に何らかの異変があるのではと、不安になる。それを検査ではっきりさせよう、というのが第一の目的だ。
先ずは、受付で、問診票と検便を提出する。検査は、血圧から始まって、身長、体重を計る。血圧が、やや高い。若い時から数ミリほど身長が短くなっている。
次は血液検査、検尿、目の検査だ。目の検査は暗いところで、懐中電灯の様なものをまともに照らされて、「真っ直ぐ前を見てください」と言われる。これがまぶしいので目をそらすと、「まっすぐ」「下」「右」「左」「上」と、どんどん指示が出されて、目をぐるぐる動かされる。結果は目は特に問題なし。視力検査も、結構小さなものが見えたので気分をよくする。聴力検査。これが駄目だ、高音がなんとなく聞き取りにくい。老化が進んでいるのを自覚する。
続くは、腹部エコー検査。ゼリーを塗りつけて、内臓の異常をエコーでとらえる。肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、膀胱など全てわかるらしい。検査後の身体に着いたゼリーを拭うのが気持ちが悪かった。次は胸や足に電極を張り付けて検査する心電図。不整脈などが分かる。続いて、肺活量検査。短い筒を咥えて、できる限り吹いたり、吸ったりする。最後は一気に思いっきり肺の中の空気を出す。これで何が分かるのかあまりよくわからなかったが、肺の調子はいいらしい。
次は、服を着かえて、レントゲンだ。まず、肺のレントゲン。1回目は、胸が全面のガラスに密着していないので、「撮影不能」と言われた。技師から、「もっと胸を押しつけて」、と言われるので、強く押し付けると、「それでいいです、息を止めて」、と言って別室に入る。ところが技師がなかなか出てこないのだ。息が苦しくなってきたころ、「楽にしてください」と言われてほっとした。
最後は、胃の検査。「今日はお一人なので、ゆっくりやりましょう」と言われる。最初に、胃の動きを止める筋肉注射を打たれた。バリウムを一口含んでは飲み干す、これを3回やる。もちろん美味しくはない。続いて、胃を膨らます炭酸錠剤を飲む。「右向いて」「回転して」「腰を上げて」と色々指示が出る。しんどいのは、頭の方を下に傾けて撮影するものだ。握り棒をしっかり握って、と言われるのだが、ゆるく握っているとずり落ちる。そんな角度まで、ベッドを傾けるのだから大変だ。
しかも、「息を止めて」と指示が出て、握りしめたまま、じっとしていなければならない。これが、やたら長く感じる。これを耐えると、今度は、丸いボール状のもので胃を圧迫して撮影する。ぐっと押してくるので、思わず構えると、「肩の力を抜いて下さい」、注意される。これで、ようやく胃の検査が終わった。
レントゲン室から出てくると、再度の血圧検査だ。「最高が160!」、係の方が高いですね、と言うので、「あたりまえでしょう、あんなに鉄棒を握りした後は誰でも血圧上がりますよ」と応える検査はそれで終了だ。
ここで昼食取って、午後から、ドクターから検査結果の説明がある。
診察室に入ると、前に肺のレントゲン写真が張ってあった。何か肺に問題でもあるのかなと思うと、「肺は特に問題はありません」とのこと。それなら、こんな写真は何なのか。肝臓、膵臓、腎臓、脾臓などにも問題が無いですね。血圧が少し高いですね。しばらく様子を観察してくださいと、血圧記録票を渡される。しかし、これまで血圧は高い方で、せいぜい130ぐらいしかいかなかったの、この病院の血圧計が少し狂っているのではと思った。
尿酸値、コレステロール、中性脂肪が高いですね。そのあたりの数値は、これまでの検査でも何度もドクターから言われてきているので、馬耳東風状態だ。早く、気にしている胃のことを言ってほしいのだが、と思っていると、やおら、胃は過去の胃炎の跡がありますね、とおもむろに言い、「でも問題ないです」、「十二指腸も何もないですね」とのこと。
私が「最近左の肋骨の下が痛むのですが」と言っても「特に問題ないですね」を繰り返す。悪いところがなければ、それでいいのだが、なんとなく、期待はずれで…。検査の結果の詳細は別途郵送します。中性脂肪、コレステロール、尿酸値などは、お近くのかかりつけの医院に行って常にチェックするのがいいですね、とのことだった。
何はともあれ、100%健康ということではないが、いつも通りの検査結果でひと安心だ。これで人間ドックの第一関門は突破した。次は脳ドックの検査がある。