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Channel: フルートおじさんの八ヶ岳日記
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病院は読書に最適

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今日から天気が下り坂だ。朝のうちから、雲が多く、いつ雨が降り出してもよさそうな天気だ。
こんな時は、病院へ行くのに越したことはない。と言ってもどこかが痛いというのではないが、尿酸値が高いのが気になる。6月に検査をして以降ご無沙汰しているので、その後どうなっているか調べておくことにする。

8時30分からの受付、9時診療開始なので、9時前に病院へ入った。各診療科の待合所は、既に患者さんで満員だ。この病院は、基本的には予約制になっている。前回来院したとき次いつ来院するか、予約しておく方式だ。

私は、予約していないので、どうなるかな。まぁ、待ち時間がありそうなので本を読む。先日から再読している吉田秀和著「名曲300選」だ。音楽評論家吉田秀和が、西洋音楽の歴史をひも解き、古今の名曲を300曲選んだという本だ。吉田秀和自身は「音楽の歴史とまでは私の力ではとてもゆかないに決まっているが<名曲>の歴史なら、少しは何とかなるかもしれない」として、選び出した曲だ。

300曲の最初に1曲は何かと思っていると、それは「宇宙の音楽」だった。第2曲目は「グレゴリウス聖歌」である。6世紀の終わりの法王グレゴリウス1世が集大成したというものだ。

それから長い歴史を経てイタリアとフランスのバロック時代となる。それ以降は、まさに具体的な名曲解説だ。今日は、バッハ・ヘンデルからベートーヴェンまで読む進むことができた。

ベルリオーズがグルックの「オルフェーオとエウリディーチェ」のフルートについて、次のように言っているのが、印象的だった。

「フルートの淡い色彩の用い方を知っていた大家は、一人しかいない。グルックである。彼の旋律は、地上の生活の熱情を捨てきれぬ永遠の哀しみの不安なもがきを、余すところなくフルートに奏させている。最初はもれ聞こえるのを恐れてでもいるかのようにほとんど聞き取れぬ声ではじまるが、間もなく物静かな嘆きにかわり、とがめるような調子になり、ついで深い苦悩、癒すことのできない傷に引き裂かれた心の叫びになり、やがて哀訴、悔いあきらめた魂の哀しいつぶやきへと静まってゆく。何たる詩人だろう…」

待合所で待つこと2時間で、ようやく採血の順が回ってきた。採血してから、更に1時間待って、いよいよドクターの診断だ。「尿酸値が、また上がっていますね」とし、尿酸値を下げる薬を処方していただいた。この時間5分もかからなかった。他に異常なところは、総コレステロールがやや高いことか。結構お酒を飲んでいるものの、肝臓関係の数値はいたって正常なのも、なんとなく変な気分だ。

それ以降も、治療費を支払い、薬の処方箋を貰い、それを持って隣の薬屋さんに行った。薬を買って全て終わったのは3時間30分後だった。予約をしていないと、いくら早く行っても後に回されてしまう。これなら、受付終了時点で駆け込むのが一番上手いやり方であろう。

弱い雨が降り出した午後からは、フルートの練習をする。プログラムは、昨日と全く同じだ。今日も、力がよく抜けて、吹いていて気持ちが良かった。「ベスト100」の曲は、それほど難しくはないが、本番で音を外したり、テンポを乱したりすることのないよう、これから、どんどん吹きこんでいかねばならない。


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